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1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 16:36:34.36 ID:nKeXQb410

女「(じろじろ)」

男「・・・」

女「(じーっ)」

男「なっ、なんだよ女!」

女「おいしそうだな、と思って・・・」

男「えっ・・(///)」

女「私、人間食べることに興味があるの」

男「( ゚д゚ )」



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16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:01:07.32 ID:lyfuSxVe0
夕日が差す白い部屋で少女と青年の声がする

妹「たまたま夜公園を歩いてただけなの…」
兄「うん……」

??「(……)」

妹「そしたら変な男の人が…」
兄「……」
妹「いきなり襲い掛かってきて…」
兄「……っ」

??「(ククク…)」

妹「包丁をとりだして!!!」
妹「私の……っ!」


妹「私の…腕を……」

少女の右腕は肘から先がなかった


18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:11:27.95 ID:lyfuSxVe0
マスメディアも大きくとりあげた妹の事件。

犯人はまだ捕まってない
妹は事件の日から何も食べなくなった

特に肉はダメらしい

しかしそれも最初の数ヶ月だけだった
今はちゃんとご飯も食べれるし学校へも行ける

そこには何の変哲もない日々…元の生活が戻っていた


19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:17:27.25 ID:lyfuSxVe0
兄「ただいまー」
妹「おかえり」

兄「あ!もう飯くってやがる」
妹「だって〜、お兄ちゃん帰ってくるの遅いんだもん」
兄「部活だからしょうがないだろ。ちょっとくらい待てんのか」
妹「お腹すかせた妹を待たせたお兄ちゃんが悪いね。」
兄「…まぁいいよ。たしかに遅かったしさ。今日の飯は…鍋か」
妹「そうだよー。お肉うまー」

片手で器用に食べる妹
それを見てちょっと心が苦しくなったが笑顔を言う

兄「うがー!俺にも食わせろー!」
妹「はいはいお皿だすからちょっとまってね」


20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:21:31.74 ID:lyfuSxVe0
兄「肉うめー」
妹「私が作ったダシがうまいのよ」
兄「妹このやろー。うめーじゃねーか」
妹「はいはい、私もたーべよっと」

兄妹で鍋をつつく
非常にほほえましい光景のはずなのだが…

ちょっと違和感を感じた


22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:26:18.80 ID:lyfuSxVe0
兄「……?」
妹「どうしたの?」
兄「この鍋さ、野菜すくなくない?」
妹「え?そう?」

鍋を見る
野菜なんて…隅っこに申し訳程度に入ってるだけだ
後は…肉だ
肉しかはいってない

妹「いいじゃん別に。お兄ちゃんも肉好きでしょ?」
兄「いやまぁ、好きといえば大好きだが」
妹「だったらいいじゃん」
兄「……」


23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:31:46.58 ID:lyfuSxVe0
俺のかわいい妹

腕を見知らぬ誰かに切り落とされ

事件の後すぐは肉を見たら吐いてたっけ

肉という単語さえも妹が退院して数ヶ月触れないようにしてた

しかし、ある日を境に妹は肉を口にし調理するようになった

俺は心配したが妹は大丈夫と笑って食卓に肉を出してくる

それは毎日のように…


24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:40:02.98 ID:lyfuSxVe0
鍋を囲みつつさりげなく聞いてみる

兄「でもお前、最近肉好きだよな」
妹「……そうかな?」

妹の声のトーンが急に落ちた
やばい、と思った
しかし

妹「何だか最近……食べたくてたまらないの」
兄「へぇ」

何か思い出させてしまったかと思ったが…ホッと胸を撫で下ろす

妹「何でだろ、お兄ちゃん。」
兄「さぁな…」
妹「この前ね、お兄ちゃんがいないときに生で食べてみたの。血がついてるやつ」
兄「!!馬鹿っ!生で食べるヤツがいるか!」
妹「うん、わかってる。でもね…」


25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:42:42.38 ID:lyfuSxVe0
妹「何だか…とてもすごく……」


何となく


妹「おいしかったな」



妹の腕を切り落とした犯人が笑ってるような気がした


26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 18:54:40.86 ID:lyfuSxVe0
次の日

友「で?相談って?」
兄「妹のころなんだけど…」

放課後の屋上
事情を知ってる友に相談をもちかけた

友「あぁ、妹ちゃんね…」
兄「うん」
友「ちょっと前まで3人で登校してたりしたのにな…」
兄「……」


28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 19:05:05.74 ID:lyfuSxVe0
妹は高校をやめていた
それもそうだ、片腕がないというのは日常生活なら何とかなるが
学校というコミュニティーの中では生きていけない

兄「あのころは楽しかったな…」
友「あぁ、俺とお前が馬鹿やって毎日妹ちゃんが怒ってくれて…」
兄「……」
友「……で?何だよ相談は」
兄「あぁ、最近妹の様子がおかしいんだ」
友「ほう」
兄「……実はな」
友「……」

兄「肉をな…異常に食うんだ」


29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 19:11:56.43 ID:lyfuSxVe0
友「ブッwww」
兄「うわ、汚っ!」

何故か友が笑っていた

友「何だそんなことかよー」
兄「…そんなこととは何だよ」
友「別にいいじゃんそれくらい。成長期なんだし」
兄「いや、友は見てないからわからんかもしれんが量がすごいんだよ」
友「へ〜」
兄「…ちゃんと聞けよ」
友「聞いてる聞いてる」
兄「昨日だってな、生の肉食べたとか言ってたしな」
友「生!?あぶないことするなー妹ちゃんは」
兄「…危ないとかのレベルじゃない気がするが」


33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 19:24:04.09 ID:lyfuSxVe0
友「結局相談は何よ」
兄「だからそれが相談だ。最近おかしいんだ、妹は」
友「ふーん。で、異常かどうかは知らないが肉についてそうなった原因が知りたいと?」
兄「…そうだよ」
友がカラカラと笑う
友「いやー、過保護なお兄ちゃんだこと」
兄「…そりゃ過保護にもなるさ」
友「あ、いや…すまん」
兄「いいんだ。とりあえず何でそうなったか知りたいんだ」



34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 19:28:10.27 ID:lyfuSxVe0
友「ちなみに元々肉好きだったの?妹ちゃん」
兄「いや、普通に食べてはいたけどな…異常なほど好きって感じではなかったかな?」
友「……」
兄「…何だよ急に黙って」
友「いやだってよ、元々好きじゃないなら原因一個しか……なぁ?」
兄「……」

やっぱりそこに行き着くか…




35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 19:33:18.81 ID:lyfuSxVe0
友「あの事件で肉と関係するのは……」
兄「……」
友「兄にはこんな事いいたかないけどな…」



肉……いや、腕か

俺のかわいい妹の……腕


39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 19:46:51.13 ID:lyfuSxVe0
友「あの事件…結局妹ちゃんの腕は…」
兄「……見つかってないな」
友「…だよな」
兄「……警察の話によれば、犯人が持ち去った、と仮説を立てて捜査しているらしい」
友「…仮説?」
兄「あぁ」

兄「切られた腕の骨の破片が現場のそこらじゅうにあって、実際のところどうなったのか分からないらしい」


43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 19:54:39.05 ID:lyfuSxVe0
友「骨……か」
兄「あぁ」
友「…警察の鑑識でも証拠はでてないんだな…?」
兄「包丁で綺麗に肉の部分だけ持ち去ったらしい」
友「…それは、妹ちゃんは知ってるのか?」
兄「そんな話は聞いてないな」


44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 20:02:17.95 ID:lyfuSxVe0
屋上で二人して黙り込む
風が出てきたようだ
ヒュウヒュウと音がする

兄「…結局犯人は」
友「……」

ヒュウヒュウ

兄「切り取った腕の肉を……どうしたのかな」
友「……」

ヒュウヒュウ

兄「……」
友「……」

ヒュウヒュウ

ひどく

簡単な

イメージ…


46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 20:10:04.21 ID:lyfuSxVe0
犯人は骨に用はなかった

わざわざこんなでかい事件をおこしてまで妹の肉を欲しがった

何故肉だけなのか

肉だけ手に入れて何をする?


友は喋らない


イメージする…

包丁の上にのっている切ったばかりの肉

今だ血がしたたるその肉を自らの口に───


友はまだ喋ろうとしない


49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 20:18:46.08 ID:lyfuSxVe0
友が俺の頭の邪魔をしないから…っ!


俺の頭の中で一つの真実が───



友「…なぁ」
兄「……」

ヒュウヒュウ

友「もう帰ろう」
兄「……」

ヒュウヒュウ

友「…俺らの話はただの妄想さ」
兄「……」

友「ただの……な」

ヒュウヒュウ


52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 20:29:54.42 ID:lyfuSxVe0
友が帰って一人屋上に残る

ヒュウヒュウ

ヒュあウヒなュウた

風がうるさい

「腕をヒュウお探しヒュウで?」

うるさい

「あのひょろヒュウっとした腕にヒュウもかかヒュウわらず」

風の中で幻聴が生まれる

「油ヒュウがいい感ヒュウじにのってヒュウてね」

何だかそれは…いつも耳にしてる声…

「何だヒュウかとてもヒュウすごヒュウく…」

昨日の妹の言葉が蘇る

「おいしかったな」



俺は風の音を無視して屋上を後にした


59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 21:03:44.42 ID:vvzIj30p0
女「あ〜、久しぶりにアレ食べたいなぁ」
男「突然なんだ、これ見よがしに。 望みを言え、なんでも一つ叶えてやろう」
女「決まってるでしょ? 最近ご無沙汰だったアレ、アレが食べたい」
男「……ふむ、俺のカワイイ暴れ馬がご所望か?」
女「テメェでしゃぶってなポークビッツ」
男「……見たこともないくせに酷い言い草だ。
 なんなら見てみるか? 見せてやろうか? むしろ見てくれ!」バッ

女「……久しぶりにじ・ん・に・く食べたいんだけど?」
男「その虚ろな瞳……俺を視界から弾きつつも己の欲求を口にするとは流石よの」
女「いいから黙って獲って来い、あと服を着ろ変態」
男「やれやれ欲張り屋さんめ、叶えてやれる望みは一つだけだと言っただろう」
女「うわ、なにこいつ殺したい。 絶対に口はつけないけど無意味に殺してやりたい」


63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 21:44:33.81 ID:lyfuSxVe0
兄「…結局部活サボっちまったな。ま、いっか」
兄「ただいまー」

シーン

兄「…あれ?」

家の中は静まり帰っていた

兄「妹……?」

出かけているのか…?


いや妹は高校すら行ってない

買い物くらいしか外に出ないはずだ
外の恐ろしさは片腕がない妹が一番よく知っている

オソロシク

いやなヨカンが


「がちがちがちがち」

何の音だ…?


65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 21:50:19.78 ID:lyfuSxVe0
兄「あ…がちがちがち」

何てことはない、自分の歯が震えて噛み合わない音だった

寒くもないのに何故…いや、寒いんじゃない


コワイ


妹が…襲われた妹が…安全な家にイナイ
ヨルノ九時をまわッテいるとイウノに


がちがちがちがち

イナイ イナイ イナイ イナイ…

家にはどこにもいなかった

兄「妹おおおおおおおおお!!!!!」


恐怖に打ち勝つように大きな声で叫びながら俺は夜に飛び出した


66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 21:59:16.42 ID:lyfuSxVe0
兄「ハァッ…ハァッ…ハァッ…っ!」

恐怖で膝が笑っているが構わずに走る

兄「妹おおおおおおおおおお!!!!」

叫ぶ 叫ぶ 皆が コワイ 変な 目 で コワイ 俺を ハァ ハァ

お前ハァ は もう  襲わ レて腕 ガ ない ハァ のに コワイ

何故 ドうして い ない ハァ ハァ

兄「何故今俺の元に妹がいないんだっ!!!」



誰だ

原因は何だ

なんでいきなり…



まさか…昨日の…

昨日のあの会話で何かが…何かが変わっちまったのか…?



67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:05:00.12 ID:lyfuSxVe0
不意に足元がスベった

兄「うおぉおおぉっと」

何かを踏んづけてしまったようだ

兄「ハァハァ…何だこれ…?」

ビニール……と発泡スチロール……?
いやこれはスーパーでよく肉とか入ってる…アレじゃないか?

ビニールにシールが張ってあった
『豚肉』
もう一つは
兄「これは…ハァ…ハァ牛の肉か…」

何故こんなところに捨ててあるんだ?


70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:10:59.78 ID:lyfuSxVe0
それにここは…

どこをどう走ったかわからない程がむしゃらに走ってきたがここは…

兄「…あの事件の公園じゃないか」

何故こんなところに…


その時、ベンチのあるところの茂みが音をたてた

兄「……ッ!」

まさか……まさか!

茂みをそっと覗いてみる

はたして

兄「妹…」

妹はそこにいた


74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:20:51.51 ID:lyfuSxVe0
妹は俺に背を向けてゴソゴソ何かしていた

兄「妹…探したぞ」
ハァっと肺の空気を入れ替えて気分を整える


何てことはない、妹はただ散歩にきてただけなのだ
何てことはない、妹は気づいたわけではないのだ
何てことは…
兄「…妹?」

妹の足元には

大量の

ニく



75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:25:55.01 ID:JWbV6UNfO
(;゚*゚)うっ


76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:27:56.17 ID:lyfuSxVe0
兄「……っ!」

妹「がつがつがつ」

妹は食べている

一心不乱に

足元にあル

砂がマジッた

それは大量の

ニくを…



兄「おい……っ!おい!!妹!!!」

妹「がつがつがつがつ」

妹は気づかない

妹はやめない

ただ一つの作業に没頭していた。


77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:33:20.01 ID:eJp6Nnr10
wktkoeeeeeeeeeee


78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:36:52.02 ID:lyfuSxVe0
兄「妹っ!!!」

無理やりこっちに体を向けさせる

恐らくさっき踏んづけた容器の中身だったであろう肉が、血が

彼女の全てを汚していた



眼が合う

妹「                 」

兄「……あ」



ただ、死んでいた

体ではなくココロが


そして気づいた

もう妹は元に戻らない、と


80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:50:04.38 ID:lyfuSxVe0
妹「     おにい ちゃん」

兄「妹っ!?」


いや、まだ完全には死んでいない!




兄「妹、俺がわかるか?」

妹「     ヒュウヒュウ   」

風がでてきた
クソッ!!
妹の声が風に消えた


そしてまたあの声がする





妹「おにいちゃ ン 私の腕が な いの」


81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 22:55:43.33 ID:Ahto5VY4O
ザオラル!ザオラル!


82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/10(金) 22:56:13.05 ID:T8+EjUe/0
しかし生き返らなかった!


84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:01:30.84 ID:lyfuSxVe0
妹「フフフっ」

兄「っ!?」

意味を聞く前に突然妹が笑い出した
混乱しながらもおそるおそる聞いてみる

兄「どういう……意味だ?」
妹「あの人はね、おいしそうにしてた」
兄「?」

妹が立ち上がる

話が見えない。一体何を喋っているのか

妹「私はね、やめて、やめてって言ったよ」
妹「でもね、あの人、笑ってた」
妹「私をね、ずっと見てたって」
妹「ずっと一緒にいてくれるって」

兄「……」

まさか……あの事件の時のことか

妹は両手を広げて竹トンボのように回りだした

クルクルクルクルと


86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:08:49.98 ID:lyfuSxVe0
妹「でもね、私は一緒にはいれないって言ったの」

クルクル

妹「家族がいるって、お兄ちゃんがいるって」

妹「そしたら、あの人余計に笑ってた」

妹「私、何が可笑しいのか分からずにあの人がもってる包丁をみてた」

妹「そしたらね…」

クルクル

妹「包丁がスッと下がってきてね」

妹「あの人は笑いながら」


妹「それでもいいって、いいな  が ら」

妹「                              」


87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:13:27.31 ID:JWbV6UNfO
>妹は両手を広げて竹トンボのように回りだした

これ、片腕ないと思うと・・・gkbr



88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:15:23.86 ID:lyfuSxVe0
もう妹が何を言ってるかもわからなくなった

聞こえるのはただの意味もない悲鳴


やがて妹は回るのを止め、その場に倒れた

兄「妹っ!?」

妹「あはははは」
妹「そして食べたの、肉を」
妹「私の腕」
妹「これで一緒だって」
妹「私もね、そうなんだって。呆然とそれを見てた」
妹「でもね、あれが終わって肉を食べたらちょっとわかる気がしたの」
妹「一緒になるってこうなんだって」
妹「あはは、可笑しいよね。食べればそれだけで一緒なんだよ」
妹「あははははは」

兄「……ッ」


俺は妹を抱きしめていた


89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:20:35.39 ID:lyfuSxVe0
事件の後に思ったこと

何の変哲もない日々

それは俺の思い込みで…

お前はもう…



あとは笑うか悲鳴かだけだった

俺は妹をずっと抱きしめていた


騒ぎ疲れたのか妹は俺の手を掴み、眠るように眼を閉じて…



妹「私、お兄ちゃんとも一緒になりたいな…」


妹はもう壊れていた


90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:23:58.36 ID:lyfuSxVe0
守ってやる

俺が

ずっと一緒に…

たとえ俺がどれだけ変わろうと

これだけは変わらない

ずっと…




いつの間にか風はやんだらしい
声はもう

聞こえない


98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:39:55.87 ID:Y7FpvnHnO
なぜかDODを思い出す・・・


99 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:46:30.05 ID:lyfuSxVe0
ただいま

あ…ありのままにおこったことを今話すぜ
『俺は公園の傍を通ったときに茂みが動く音を聞いた』
な…なにをいってるのかわからねーと思うが俺も意味がわからなかった
兄だとか妹だとか(ry


102 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/10(金) 23:59:21.39 ID:lyfuSxVe0
数週間後


あれ以来常に妹一緒にいる
妹と起きて妹と歯を磨いて妹と遊んで妹と風呂に入って妹と寝る
毎日こんな感じだ

妹は俺によくなついてくれてる
何をしても嫌がることはないし、俺によく従ってくれた

壊れたココロでも俺しかいないとわかっているのだろう
どこでもベッタリだ


学校にはもう行ってない
一度友が家にやってきた

だが居留守を使った
邪魔をされたくないんだ

俺達は一緒なのだから


自分の口元が釣りあがるのがわかった


103 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 00:06:28.14 ID:m7Ab/uWE0
最近兄をまったく見ない

学校にもこないし家に行ってもいない…

友「一体どうしちまったっていうんだ…」

警察に連絡するか…?
いやしかしまだ失踪と決まったわけではない…

友「クソッ!妹ちゃんもどこいるかわからないし…」

しかし、ただ何となくは分かっていた


二人は一緒にいる


分かってはいるがあんな事件の後だ。
無事かどうかはわからない
また何かの事件にでも巻き込まれたのでは…

友は兄の相談にのった屋上で一人悩んでいた


105 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 00:14:06.29 ID:m7Ab/uWE0
ぴんぽーん

兄「……」

友、今日もきたのか
玄関からくぐもった声が聞こえてくる

友「兄〜。いないのか〜?」

あぁ、いないよ

妹「…オニイチャン」
兄「どうした?」
妹「…オシッコ」
兄「そうか、一緒に行こう」
妹「うん」


妹が用を足すのを眺めつつ友のことを考えた

友、すまない。今は妹と一緒にいたいんだ


心の中で友に謝った


106 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 00:15:01.47 ID:m7Ab/uWE0
IDかわったけど書いてる人です


108 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 00:22:23.62 ID:m7Ab/uWE0
友「うーん…」
友は一人図書館で悩んでいた

重症の少女 消えた彼女の腕

デカデカと新聞に載っている文字を眺めつつ思考を巡らせる
日付は今から約半年前の新聞
これに妹ちゃんが巻き込まれた事件のおおよその全貌が書いてある

犯人の目撃者が一人いた
証言によると帽子にサングラス、風邪のときにつけるマスク。
スタンダードな銀行強盗の風貌で包丁を所持…

この線からは辿れそうにないな…


109 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 00:31:09.28 ID:m7Ab/uWE0
友「最悪…最悪の状況を考えると…」

友「…それは、犯人がまた妹ちゃんに接触…かな」

犯人は今だ捕まっていない。可能性はないことはないのだ

このことを警察にいっても動かないだろう
まだ何も起こってないのだから

しかし仮にそうなっていたとしたら
兄と妹ちゃんは既に殺され…

いや、と友は思った
友「生きてるさ…生きてなきゃ……生きて…」

声は段々小さくなった
友「生きててくれ…兄、妹ちゃん」

友はともかく犯人の手がかりを捜そうと関連記事に没頭していった


110 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 00:38:05.51 ID:m7Ab/uWE0
「……」
誰かが俺を探っているな…警察ではなさそうだ

素人か。

「ククク…ははははは」
事件を起こした公園で若い男が一人、眼を四方八方に動かしながら辺りを探索していた

警察も俺を捕まえようと躍起になっている
そして更には素人探偵か

「クククク…」
俺をあまり探らないほうがいいぞ素人探偵

「あまり近づきすぎると…フフフ」




食人鬼は笑いながら闇に消えていった


113 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 00:53:47.88 ID:m7Ab/uWE0
既に時刻は夜

結局公園を何周もしたが手がかり一つつかめないまま終わってしまった

友「ハァ…そりゃそうか。」
何せ警察が捜査した後だ。何も残っちゃいまい

友「わかっちゃいたけど…こりゃきついぜ」
しかしのんびりもしてられない
確かに犯人がでてきたと決まったわけではない
でもそうなってからでは遅いと友は理解していた

今自分がやっていることは無駄で意味がないかもしれない
だが、もし無駄だったときに無駄でよかったと思える方ならそれでいいではないか



その時一陣の風が吹いた
「フフフハハハハハハ……」

風にのって笑い声が聞こえる

友「!!……誰だッ!!!」


振り向いた先には誰もいなかった

友「……幻聴かな?」

ただそこには夜の闇があるだけであった


116 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 01:11:59.07 ID:m7Ab/uWE0
前から思っていた
この人は私に対して過保護すぎるのだと


そして気づいていた
自分の彼への想いも

しかし表に出すことはなかった
近すぎていたし
そして何より恥ずかしかった

だが、今なら。迷わずに言えるかもしれない
今はずっと傍にいてくれる、前よりずっと…

それだけで満足したかったはずなのに……



何故だか胸が痛かった
自分の意識すらコントロールできないでいるのに、彼への想いはそれを上回って扱いが難しかった

でも、彼は約束してくれ。ずっと一緒だと。ただ今はその約束だけで十分だ


そう想いながら彼の腕の中でまどろむ

彼女のココロは徐々にだが修復されつつあった


117 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 01:24:43.09 ID:m7Ab/uWE0
兄「ん……」

朝の日差しが眩しい
隣には妹の寝顔

それだけで幸せが心を満たした

兄「ほら妹…朝だよ」
妹「う……ん……」

眼が開く

俺を見る

見つめ合う

妹「ん…おはよう、オニイチャン」

余りに普通の対応なので驚いた
兄「妹…」
戻りつつある、戻りつつある。
自分の顔が笑っているのがわかる
妹も微笑返す

それは多分幸せな朝の時間だった


しかし、ある感情を兄は自覚しつつあった

多分、彼は…エイエンを求めていたのだ


124 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 01:57:27.73 ID:Y3TdpbxKO
バッドエンドの予感…


125 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 02:05:44.43 ID:m7Ab/uWE0
友「あった…」

公園の端にある倉庫。
埃が蔓延するこの空間で、友はつうに犯人の尻尾を掴んだ

友「あとはコレを警察に届ければヤツも終わりだな」
連日の探偵ぶった捜査をしたおかげで眼の下にはクマができていた


疲労困憊。今すぐにでも家に帰って寝たい気分だ。
文句をいう体に鞭を打って友はその証拠品── チェーンソーを手袋をして持ち上げた

友「倉庫に地下を作るとはな、連日見回っててよかったぜ」

違和感に気づいたのはつい2日前のこと

証拠が必ず公園にあると踏んだ友は一睡もせずに探索しまわった
そして探索から2日目、床のコンクリートが不自然なことに気づいた。
コンクリートを破壊するのにまた1日かかった。結果からいえばたっぷり3日は寝てない計算になる


126 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 02:13:41.67 ID:m7Ab/uWE0
友「はー、よっこいせっと」
チェーンソーを持ち上げる

この3日は一介の学生に過ぎない彼には過酷すぎた。
だがこれは意味があるのだと確信してからは逸る気持ちが抑えられなかった
寝るのすら億劫と思えるほどに

友「あ、てか警察をここに呼べばいいか。」

功をあせりすぎては全てが泡になってしまう。
ちょっとした英雄を気取ってみたかったが、犯人を捕まえることを優先しなければならなかった
アホだな俺ー、と自傷気味につぶやいて携帯に手を伸ばす

実にこの3日は精神的には天国で体力的には地獄だった
しかしその間思考を絶やさずにいたために、思考力は低下するよりむしろ研ぎ澄まされていた



だからだろうか、倉庫にある備品の影からナイフを振り落とされたのに気づけたのは


129 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 02:28:05.45 ID:m7Ab/uWE0
ナイフが降ってくる

考えるより先に体が動いた

友「んなろ!!」
友は思いっきり横に跳んだ

「チッ」
ナイフを持った相手から舌打ちが聞こえる

友はそのまま倉庫の入り口まで移動した

相手との距離は…約5m

友「お前か…犯人は」

相手は新聞通りの格好…間違いない、ヤツだ


「フフフフ…」
犯人は不気味な声で笑いながらナイフをかまえた


友「逃げしちゃ…くれないだろうな」

轟音が倉庫に響き渡る
友「殺し合いなんざやってる暇ないんだがな…」


友もチェーンソーをかまえた


130 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 02:46:48.61 ID:m7Ab/uWE0
…ギャリギャリギャリ!!!!

チェーンソーの刃が備品につきささる
友「あ、やべ」

先手必勝!と意気込んでチェーンソーを振ったのはいいがここは倉庫の中、備品が多すぎる

友「うぁっ!」
チェーンソーを抜こうと手間取っている間に犯人は接近してナイフを繰り出す

友「ひっ!ひょっ!ほぇっ!」
友はギリギリで避け続ける
ナイフで人を殺すとなれば突くしかない

しかし直線での攻撃は読みやすい。頭が冴えている今なら避け続けられる

チェーンソーはダメだ。ここで使える代物じゃない
そう判断した友はチェーンソーを捨てて後退した


再び犯人との距離が空く
「フム、なかなかやるじゃないか…」
犯人は不気味に笑う

「しかし君は丸腰だ。どうするんだ?」

さて……


131 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 03:04:28.15 ID:m7Ab/uWE0
恐らく次が最後だな…友はそう思った

仕掛けるなら相手が油断している…今しかない

………よしっ!


友「チ、素手でナイフとやりあえるかよっ!」
そういって友は入り口まで走った

そして足が何かに躓き、転んだ

こい……こい!

絶好のスキを見つけた犯人は当然のごとく襲い掛かってくる

よしっ!

そして友の背中に向かってナイフを振りかぶって……



転んだのはあくまでフリ
すぐさま振り向いて懐に入れておいた必殺の…

友「俺の勝ちだああああああああああ!!!!!!!」

スタンガンを相手の胴にあてた


132 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 03:14:33.81 ID:m7Ab/uWE0
「!!!」
驚いた時にはもう遅い

スタンガンが胴にもう当たっていた



仰向けに倒れる犯人

友「だーれが自前の獲物もってないっていったよ」
と、皮肉を入れて腰を下ろした

一気に緊張が解けて急に眠気が襲ってくる
友「クソッ!まだ終わっちゃいないんだ」

頭を振って眠気を追い出す
えーっと、まずやることといえば…ボンヤリした頭で考える

そうだ、警察を呼ばないとな

携帯、携帯っと……あった


134 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 03:25:10.71 ID:m7Ab/uWE0
元いた場所に捨ててしまっていた携帯を回収しにいく
途中でズバンッという音が聞こえたような気がしたが気にとめてる暇はなかった

体がもう限界に近い
というより限界は既に突破してるかもなー、と思いつつ携帯でダイヤルを押す

プルルル…プルルル…
呼び出し音の後に繋がった

「こちら○○警察署です」

あー、何て喋るかまったく内容考えてなかったな

友「えーと、こちらは…っと」

体がフラッと揺れた

いかんいかん、限界なんぞとうの昔に突破してたか

「もしもし?」

友「あー…えーっと」
また体が揺れた

あ、やばいこのまま寝そう


137 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 03:40:22.99 ID:m7Ab/uWE0
このまま寝てしまったら犯人が起きてしまう
スタンガンといえど人を殺せるような代物じゃない。ただ気絶してるだけだ

しかし、体が───その時フと声が聞こえた

??「…代わりに電話してあげようか?」

相手を見る。ボンヤリと輪郭しか見えなかった。

瞼はもう落ちかかっていた

友「誰かは知りませんがお願いします…ここにいるのは……事…件の犯人なんです……」

??「………」


友「有難う………俺はも……う…眠く……て……眠………」

言ってる途中で意識が落ちた


??「お休み……」




139 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 04:01:17.23 ID:m7Ab/uWE0
眠る様に横になった友は既に息をしてなかった

首からは大量の血が出ていた。


??「えぇ、はい。弟のイタズラなんです。すいません本当に」

電話を切って友を見る。その姿は例えるならスタンダードな銀行強盗…


「ナイフだけでここに来たとでも思ってたかい?」

その体にはカーボン製のシートが上半身全体に装備されていた

「素人の武装なんてたかがしてれるんだよ。フフ」


食人鬼は笑う


「まぁでも、楽しかったよ。また起きたら相手をしてやろう。はっははははははは」




そうしてまた食人鬼は夜の闇に消えていった


156 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 12:42:21.77 ID:m7Ab/uWE0
俺と妹は居間にあるテレビを見ていた

右下には血糊がついたようなテロップが流れている
『男子高校生遺体で発見』
被害者は…友
場所はまたあの公園だった

友…死んだのか…

兄「友……」
妹「友さん…が…」
かちかちかちかち

妹は震えていた
兄「……」
妹「…コワイ」
かちかちかちかち
妹「…これは多分、あの人の仕業……」
兄「……」

そうだろうな、と兄は思った

妹を抱きしめる
妹「…お兄ちゃん、一緒にいてくれるよね…」
兄「あぁ…」
妹「お兄ちゃんがずっと一緒にいてくれるなら私は…」



妹の震えはもうおさまっていた


157 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 13:02:10.71 ID:m7Ab/uWE0
「……」

食人鬼もまた不機嫌な様子でテレビを見ていた。

「……チ、意外と発見されるのが速かったな」
あそこは誰も使っていない倉庫だったはずだ

時間を稼ぐには十分だと思っていたのだが……
「甘くみていたか…警察を」

しかし、あの倉庫に俺の痕跡はない
いくら捜査しても無駄だ

「あいつから発見されたチェーンソーも回収したしな…」
チェーンソー…

食人鬼の頬が緩む
あの少女の腕を切り落とすのに使った代物だ
最初は包丁…肘から下の肉を削ぎおとした
次にチャーンソー…骨だけになった肘に押し当てる…

フフ…その時にはもう少女は半狂乱だったな
泣き叫びながら俺に許しを求めた



フフフフフ、さて、次はいつごろ仕掛けるか…

事件のことを思いだしたのか食人鬼は興奮していた


158 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 13:20:01.78 ID:m7Ab/uWE0
それから一年が過ぎた


妹はもう元に戻っていた
俺とは兄妹兼恋人として日々を過ごしている
最近になって妹が言った
妹「お兄ちゃん、外に出たい」

そう、友の事件以来家にずっと引きこもっていた妹が外に眼を向けはじめたのだ
兄「妹、家はもう飽きたのかい?」
妹「そういうワケじゃないけど…」
妹は俺を上目遣いに見つめながら言う

妹「もうあれから一年たったし…あの人ももういないよ、きっと」



159 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 13:26:56.98 ID:m7Ab/uWE0

例の犯人も今だに捕まっていなかった
ここ一年はこの辺りも平和なものだ

危ないな、と兄は思った
一年前の事件から妹の世界には俺しかいなかった
しかし外に出るとなると…
俺以外の誰かと接触することになる

俺以外の誰か……


妹よ、まだ気づかないのか
犯人はお前を狙っているのだ

友は殺された
お前はまだ生きている
これがどういう意味かわかっているのか?


危ないな、もう一度心の中で呟いた


160 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 13:41:41.85 ID:m7Ab/uWE0
お兄ちゃんは私が外に出るのが嬉しくないのかな?

妹はそれが疑問だった

おそらく、あの犯人はもういないような気がした
多分もう私の前には出てこない

妹は事件のことを思い出していた
あの時───私の腕を食べた後あの人は言ったのだ
痛みで気絶しようにもできない状況の中で聞いていた

「これで君と俺は一つだ。ずっと一緒なんだ」と

だから多分あの人は満足したはずだ

私は腕がなくなったけど…お兄ちゃんと一緒にいれる
何があってもお兄ちゃんが私を守ってくれる

私達はずっと一緒なのだから…



それが甘い考えであると妹は気づかなかった
それは……ただの甘い幻想であった


162 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 14:11:50.61 ID:m7Ab/uWE0
それから数日

兄は一向に妹の願いを聞き入れなかった


妹「多分もう大丈夫だよ」
兄「いーや、お前はわかってない」

外にはコワイコワイ、ショクジンキがイるからな

妹「もうあの人はここにはいないよ」
兄「……」

ドウしてそこマでして外にでタイ?

兄「お前には俺がいる…それだけじゃ駄目なのか…?」
妹「…違う。違うよお兄ちゃん。私はただ…」

何故だ何故だ何故だ──!!


兄は妹の唇を奪っていた


163 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 14:21:02.95 ID:m7Ab/uWE0
兄は今だに妹に手を出していなかった

実の兄妹であったり何より…少しチガっている気がしたからだ

でも、もう躊躇わない。

妹は抵抗しなかった。最初は驚いたようだがもう安心しきった様子で兄に身をまかす

──お前の口から俺を拒絶する言葉が出るのは耐えられない

妹「お兄ちゃん…」

瞳を潤ませた妹が目の前にいる

一緒になろう。



二人は溶けていった


164 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 14:36:42.99 ID:m7Ab/uWE0
妹「私は…ただね、あの人はもう満足したからいないと思っただけなの」
兄「……」

ベッドの上に語り合う
体は既に疲れきっていた

しかし満足感が漂う
俺達は一つになれたのだから、と兄は微笑む

妹「でも私、お兄ちゃんのいうこと聞くよ。もう外に出たいなんて言わない」
兄「…そうか」

よかった
妹はもう俺を裏切ろうとはしない
本当によかった

兄「じゃぁもう寝よう。俺はもう眠い」
妹「…フフ、激しかったもんね」
兄「……馬鹿」

兄は満足気に眠りに落ちていった


165 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 14:47:56.88 ID:m7Ab/uWE0
妹が外に出たいと思ったのは他でもない。
ただ家の淀んだ空気ではなく、新鮮な空気を肺一杯に吸い込みたいだけだった

今は体力を使いきって気だるい

だから、余計新鮮な空気を体が欲している──

兄は寝ている───





隣で寝ている兄を見て一言呟く
妹「ちょっと…ほんのちょっとなら……」


妹は玄関に足を向けた


170 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 16:01:25.63 ID:m7Ab/uWE0
妹「わぁ……」

空は満天の星空だった
──あまり遠くには行かないでおこう

そう思いつつ深呼吸を繰り返す
ハァ……ハァ……
妹「…気持ちいい」

…お兄ちゃんはちょっと心配しすぎだよ

家からちょっと出るだけでこんなに気分がいい


──でも、今日だけにしよう
もうお兄ちゃんに従うと決めたのだから

深呼吸をひたすら繰り返す


そうして愛しい兄のことを考えながら玄関先でボーっと座っていた


171 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 16:05:29.73 ID:tDgJa5PG0
妹「とぉるるるるるるんん」

妹「どこかで電話が鳴ってる!」

厨房「うわっ! 俺のサイフに何すんだよォッ!」

妹「うるさいッ! お兄ちゃんから電話がきてんのよォォォッ!!!」

妹「もしもしお兄ちゃんッ!?」

妹「え? 今どこって? うん、今公園!」

妹「今くるの? 30秒後? 解った!」

厨房「テンメェ……このアマァッ!」

妹「おっと……」

妹兄「妹に手を出すのは」

兄「ゆるさねえぜ……」


176 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 16:25:22.69 ID:m7Ab/uWE0
兄「ん……」
フと目が覚めた
兄「妹…?」

いるはずの妹がいない、隣の乱れたシーツには体温が存在していなかった

兄「……」
トイレか…?
家の中を見て回る

どこにもいない

兄「まさか……」

イヤなヨカンがシた
こんな夜中に…外に?

分かり合えた、一つになれたと思っていたのに…
──ともかく…妹を見つけねば





どこかで

どこかでまた風の声がした


177 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 16:36:29.10 ID:m7Ab/uWE0
ザッ

妹「え…?」

庭から足音がした

こんな夜中にお客さん…?
いや、泥棒か?

妹「……」

動けば気づかれる恐れがあった

ザッ

緊張が妹を包む

ザッ

ダメだ、足音はこっちに…

ザッ

月の光が地上を照らす

ザッ

そこにいたのは果たして───

妹「あ……あああああああああああああああああ」


179 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 16:51:04.81 ID:m7Ab/uWE0
記憶が蘇る

それは約2年前のこと…

世間を忍ぶように頭を隠した帽子

嫌がる私を見ていたサングラスの中の狂った瞳

くぐもった笑いを私の耳に届けた白いマスク


妹「ああぁあぁああぁぁぁああ」



ソレは記憶の姿と寸分も違わず目の前に存在していた


180 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:00:12.70 ID:m7Ab/uWE0
「ククク…」

くぐもった笑い声は私の脳を溶かす

なくなったはずの腕が疼く

妹「いやああああああああああああああ」

私は駆け出した

明かりがあるところはだめだ。

見つからないトコロへ、暗い方へ、暗い方へ


だが

──ザッ

「クハハハハハ」

……

恐怖で頭がどうにかしそうだった

妹「                             」


また一つ、妹にヒビが入った



181 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:06:00.47 ID:t7WBEtlzO
うわあああああああああ!!!!!


182 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:18:00.69 ID:m7Ab/uWE0
逃げる

逃げる

追いつかれる

足がもつれる

かまわずに走り続ける

絶叫をあげる

肺がきしむ

心臓が潰れる

頭が紫に染まる

地球が左回りを始める

星が落ちる



遠くで風の音がする

もう

わからない


183 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:25:58.04 ID:m7Ab/uWE0
鬼ごっこが終わりを告げる

苦しくも───そこはあの公園だった

妹「あ……ぁ……」

妹は動けなくなっていた

下半身を踏ん張る

しかし上半身は言うことをきかなかった

もう妹の脳は何の処理もしてくれない

立ち上がることすらできなかった

妹「…あああぁあぁっぁ……」


「フフ…もう終わりか?」

男は平然と公園の入り口に立っていた

妹は虚ろな瞳でソレを見る

「ククク…」

男は懐から布の塊をとりだした

月の光が包丁を照らしていた


185 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:51:38.41 ID:m7Ab/uWE0
包丁を見た瞬間妹は覚醒した

妹「あぁあぁぁぁあああああああ!!!!!」

また逃げ出そうとする

しかし体は起き上がってくれなかった

「フフフ…」

食人鬼はかまわず妹の上に乗る

「今日はね、君の全てをもらいに来たんだ」

妹「いや!いやああああああ!!!」

「君の全てを、食べてあげる」

妹「ううううううううう!!!!」

妹は暴れたが上に乗られているから抵抗にすらならなかった


187 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:56:12.60 ID:zlBP/Hk90
兄はやく来い
この腐れ殺人鬼に天誅を


188 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:58:52.70 ID:zlBP/Hk90
いや・・・もしかしてこれは・・・


189 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 17:59:25.67 ID:wjq/nC0e0
手遅れ・・・なんてことないよな?


190 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:02:00.59 ID:m7Ab/uWE0
「片腕だけではだめだったんだ」

包丁が

包丁が、残った左腕に…

「だから…今度はもう全部もらうよ」

ズブリ、と

突き刺さった



脳が

振動した


妹「  」

痛みなぞ

ない

ただ、感触が気持ち悪かった



「さぁ、一緒になろう」


191 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:06:02.43 ID:m7Ab/uWE0

一緒になろう…

そういってくれた青年の顔が浮かぶ



お兄ちゃん……


お兄ちゃん!!


妹「助けて!!!!お兄ちゃん!!お兄ちゃん!!!!!」

「ム…」

妹は力の限り暴れた

食人鬼がひるむ


妹「お兄ちゃん!!!!お兄ちゃん!!!!!!!!!」


公園に妹の絶叫が響いた


192 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:13:23.28 ID:m7Ab/uWE0
「……」


どれだけ叫んだろうか

喉はもう音を出してくれない


ずっと…傍にいてくれると言ったのに…


「終わりか?」

食人鬼は妹が叫ぶ間何故かうごかなかった

妹「ぁ…」


「じゃぁ続きだ」


左腕をザクザクと解体してゆく


「ククク…」



食人鬼は愉快そうに包丁を動かした


193 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:23:20.68 ID:m7Ab/uWE0
もう抵抗する気力も失せていた

ただ前回のように解体されていく左腕を虚ろに見ていた

「前のときも言ってたね、お兄ちゃんって」

食人鬼が喋る

ザクザク

妹「……」

「俺よりそのお兄ちゃんのほうがいいのか?」

ザクザク

妹「……お兄ちゃん」

ただ何となく呼んだ。愛しい彼の顔が脳をかすむ

「……そうか、お兄ちゃんのほうがいいか」


194 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:24:45.45 ID:zlBP/Hk90
まさか・・・いや、そんなはずは


195 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:25:02.88 ID:m7Ab/uWE0
「そいつは…」

食人鬼は作業をやめ、自らの顔に手を伸ばす


そしてサングラスとマスクを…………



兄「残念だ」







月と星だけが愛し合う二人を見ていた


196 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/11(土) 18:28:40.40 ID:N3QHAG9HO
ええええええええ!!!?


197 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:29:09.33 ID:zlBP/Hk90
嘘だろ・・・嫌な予感が当たっちまった


198 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/10/11(土) 18:31:56.11 ID:l4eQSKsN0
そんな予感はしていた


200 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:39:38.35 ID:m7Ab/uWE0
妹「……………………え?」


兄「馬鹿だなぁ妹。外には出るなってアレ程いったのに…」


兄「でも安心しろ。今度は体も心も同じになろう」


兄「一緒になるんじゃない。一つになるんだ」


作業を再開する食人鬼

ザクザク

妹「お……兄ちゃ…ん……」

兄「ん?」


妹「助けに…助けに来てくれたんでしょ…」

兄は不思議そうな顔をし、クスッと笑った

兄「あぁ、そうだよ。助けにきたんだ」



そうしてしばし愛しい妹を切り刻んだ


201 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:45:11.13 ID:zlBP/Hk90
二重人格なのか・・・確信犯なのか・・・


202 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:47:55.89 ID:N3QHAG9HO
もはやバットエンドのみか


203 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:51:27.75 ID:m7Ab/uWE0
妹「そうかぁ…そうだよね、お兄ちゃんが助けにきてくれたんだぁ…」

兄はクスクス笑う

兄「あぁ、そうだよ」

そして兄はある物を取り出した

兄「妹、ちょっと揺れるけど我慢するんだぞ」

妹「え?」


ギャリギャリギャリ!


妹「ギ…ッッッ!!!」


チェーンソーが左腕を完全に切断した


兄「次は足かな?」


204 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:54:31.09 ID:OvP0bRCB0
マジかよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお


205 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 18:54:41.13 ID:Unr99OtbO
普通生きたまま腕切られたらショック死か失血死すると思うんだが


207 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:03:42.89 ID:m7Ab/uWE0

…………

周囲に散乱する両手両足

しかし妹はまだ生きていた

兄の手際の良さもあるだろう

しかしマトモな思考はもうできない

ボンヤリとした頭で、兄を見つめているだけだった




愛しい人の声が聞こえる

「妹、愛してるよ」


その言葉を聞いたとき、
もう血も残ってないだろう体が温かくなった気がした

妹「わ…私も………」



妹「愛し」
脳天にナイフが振り下ろされた


208 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:11:03.60 ID:N3QHAG9HO
正直グロは好きじゃないが最後まで読みたいスレ


209 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:12:39.73 ID:m7Ab/uWE0

絶命した妹を見下ろす

脳天にはナイスが刺さったままだった


兄「さて…」


そういって兄は散乱した砂がまじった妹の肉を集めた


兄「さぁ、今から一つになるんだ…妹、嬉しいだろう?」


ナイフがつき刺さった妹に優しく…優しくキスをした


210 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:17:27.88 ID:hU6eKTruO
くそっ、笑っちまったwww


211 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:24:00.00 ID:m7Ab/uWE0

夜が白んできた

兄「もう朝か…」

妹の体はもうなかった

残ったのは大量の骨


あとは兄の体の中だった


遠くからパトカーのサイレンの音がした



213 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:29:20.20 ID:m7Ab/uWE0

チ、誰かに見られたか…


普通ならあわてるところだが兄は冷静だった



逃げるか。証拠もでまい



兄はその場を後にした


216 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:38:50.28 ID:m7Ab/uWE0
妹と一つになったことでもう恐れるものは何もなかった

だが家にはさすがに帰れないだろう

そう思った兄はその身のまま逃げた
……………





──数年後

兄はまだ警察から逃げていた

妹も一緒なのにそう簡単に捕まるわけにはいかない

兄「なぁ、妹…」

瞳を閉じれば瞼の裏に妹の笑顔がある

俺は、やっと手にいれたんだ

兄は逃げ続ける…

妹と作ったエイエンを自分の体に感じながら……



                             happy end


217 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:40:02.14 ID:tDgJa5PG0
まさかのはっぴぇんど


218 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:42:49.08 ID:zIqqjkigO
>>1乙!!
なんなんだぁ、この胸のモヤモヤわぁー!!??


219 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:43:35.61 ID:HUDYq5JY0
追いついた乙
友人の話の「チャーンソー」が誤字と分かりつつイクラちゃんを連想して笑ってしまった


220 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:45:40.67 ID:m7Ab/uWE0
というわけで終わり
見てくれた人ありがとう


221 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/10/11(土) 19:47:27.27 ID:m7Ab/uWE0
ほとんど即興だったから誤字も多いな、すまん

あと俺は1じゃねぇw





コメント

    マジキチ

    ナイスが刺さったわろたwww

    マジキチ

    マジキチ

    キチマジ

    ラノベで普通にありそうだから困る

    うん、キチガイ。

    新ジャンル?
    だいぶ前に食人鬼の女の子と不死身の男のSSがあったぞ?

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