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勇者「ま、魔王が無条件降伏だって」 本格派シューティングテイストMMORPG

このSSの漫画化・イラスト化してくれる方大募集中! お絵かき投稿はコチラ!
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 20:32:40.70 ID:Ro9jEm2bO
この世界は乱れていた。
数百年もの長き間、魔王率いる魔王軍は我ら人間苦しめ続けていた。
 
 
村や町の周りには魔物が現れるようになり、田畑を荒らしていく。
勿論、最初は人間たちも抗っていた。
 
 
しかし強力な魔力を持った魔物にただの人間が勝てる訳がなく、次々と倒されていった。
 
 
それでも力を持った人間たちは、殺された仲間の為に、守るべき人たちの為に力をつけていった。
 
 
そして、彼らは勇者と呼ばれるようになった。
 
 




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3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 20:41:10.84 ID:Ro9jEm2bO
また、彼もそうだった。
 
 
彼の父や祖父、先祖も皆、勇者という家系だった。
 
 
自らに秘めた力を鍛え、村の仲間を苦しめている魔王を倒す為に旅立ち、そして誰1人として帰ってくることは無かった。
 
 
 
勇者「俺は父さんたちみたいにはならない」
 
 
17歳になった彼もまた、魔王を倒す為に、明日村から旅立とうとしていた。
 
 



6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 20:47:22.30 ID:Ro9jEm2bO
勇者「魔王が…無条件降伏…?」
 
 
旅の支度を終えた彼が寝床につこうとした時、その知らせは届いた。
 
 
 
魔王軍は直ちに撤退させ、これ以上人間たちに危害は加えない
 
──と。
 
 
世界中に届いた知らせを聞いた人間たちは、喜び、勝利を祝った。
 
 
だが彼は腑に落ちなかった。
 
 
これは何か裏があるのではないか、と。
 
 



8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 20:53:42.46 ID:Ro9jEm2bO
彼は村の人々に訴えた。
 
 
勇者「これはきっと罠だ!なにか裏があるに決まっている!」
 
 
だが、歓喜に、酒に酔っている彼らは耳を貸さなかった。
 
 
それどころか、
 
 
村長「お前はただ旅に出たいだけなのだろう。村の皆に余計な事を吹き込んでまた不安にさせたいのか?そこまでして旅立ちたいのか?行きたいのなら勝手に行けばいい。誰もお前を止めやしないよ」
 
役立たずの勇者の子供などな。
 
 
 
彼は胸が張り裂けそうだった。
 
 



10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:00:20.93 ID:Ro9jEm2bO
村人の事を思いやり、心配し言っただけなのに。
 
 
全てを否定され、更には自身の親さえも否定された。
 
 
今までは、勇者の家系に生まれ幼い頃から辛い修行をしていた彼を支えてくれていた村長。
 
 
父親が旅立ち、母親が病死して一人になった彼を一番支えていたのは村長だった。
 
 
勇者「村長…、どうして…。初めてイオナズンが成功した時、あんなに喜んでくれてたのに…」
 
 
『役立たず』
 
 
その言葉だけが彼の頭の中を支配していた。
 
 



12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:09:17.36 ID:Ro9jEm2bO
彼は、ただ昔のことを思い出していた。
 
 
今まで、何の為に修行してきたのか…。
 
 
夜空に散らばる星を見つめ、彼はただ眺めていた。
 
 
そしてある事に気付いた。
 
 
勇者「…そうだよ。俺は、魔王を倒す為に修行してきたんだ」
 
勇者「これが魔王の罠なら、俺が魔王を倒してその事を世界中の皆に証明すればいいんだ…」
 
 
彼はそう呟くと、まとめてあった荷物を手にとった。
 
 
少しの食料、毒消し、傷薬。
それらが入った包みを持ち、彼は旅立った。
 
 
村の広場で宴を開いている村人に気付かれぬように、そっと。
 
 



13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:17:12.57 ID:Ro9jEm2bO
勇者「…な…んだ…これ…」
 
 
村を旅立って数日、彼はある異変に気付いていた。
 
 
勇者「なんで魔物がいねぇんだよ!!」
 
 
目の前に広がる草原、そこには草木こそはあるものの、数日前までは至るところに生息していた魔物の姿がなかった。
 
 
魔物がいない、というのは幸いなのだが今の彼には納得がいかなかった。
 
 
勇者「くそっ…これじゃあイオナズンが使えねぇしまゃねぇかよ!!」
 
 
彼は木陰に荷物を置き、腰をおろした。
 
 



14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:23:09.83 ID:Ro9jEm2bO
勇者「腹減ったぁ…」
 
 
嘆きと共に腹の虫が食料を催促する。
 
 
魔物の肉を食べるつもりだった彼は、少量の携帯食料しか持参していなかった。
 
 
しかし彼は村を出てから一度も魔物に出会っていない。
 
 
携帯食料はすでに底をつき、彼は水だけで生活していた。
 
 



15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:25:01.70 ID:lkyw8T6N0
勇者のくせになまいきだ・・・


16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:26:56.01 ID:HGYTTqOxO
子供作ってから旅立てよ
血が絶えるぞ


17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/12/02(火) 21:29:00.17 ID:D0nln5BVO
>>1
>我ら人間苦しめ続けていた
の部分がカタコトな口調に見えてふいたw


19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:31:25.93 ID:Ro9jEm2bO
>>17
今気付いたwww


18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:30:18.51 ID:Ro9jEm2bO
──村に帰れば、温かいご飯を腹一杯食べれる。
 
 
心の中に浮かんだ言葉を、彼は必死に消した。
 
 
今さら帰って何になる。またバカにされるだけじゃないか。
 
 
唇を噛みしめ、彼は地面を殴った。
 
 
小さな痛みは拳からすぐに消えたが、心の痛みは癒えることはなかった。
 
 



20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします sage 2008/12/02(火) 21:32:05.72 ID:D0nln5BVO
>>13
>しまゃねぇ

↑これなんて読むの?


24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:36:48.42 ID:Ro9jEm2bO
>>20
フィーリングって大事だよwww


23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:35:38.27 ID:Ro9jEm2bO
その時、後ろの草むらでかすかに物音がした。
 
 
──っしゃあ!!食料だっ!!
 
 
彼は腰を浮かし、草むらに向かって身構えた。
 
 
彼は武器を持ってはいない。
 
 
だがイオナズンだけは他に劣らぬ自信があった。
 
 
──どんな強敵が現れようと、イオナズンさえあれば大丈夫。
 
 
彼は草むらを見つめ、両手を構えた。
 
 



27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:42:12.36 ID:Ro9jEm2bO
長い時間、彼は草むらを見つめていた。
 
 
いや、実際にはそこまで時間は経っていなかっただろう。
 
 
ただ息を潜め、獲物が現れるのを待っていた。
 
 
──そして
 
 
ガサッ
 
 
再び草むらが動いた瞬間、彼は両手を前に出し草むらに向かって叫んだ。
 
 
勇者「イオナズン!!」
 
 
 
 
ドガーン!!
 
 



35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:49:29.08 ID:Ro9jEm2bO
眩い光が辺りを包んだ。
 
 
目の前に広がっていた草木が燃え、焦げ臭い匂いが漂う。
 
 
勇者「…何も、いない?」
 
 
徐々に失われていた視界はもとに戻っていった。
 
 
だが彼の目の前には焼け野原が広がるばかりで、獲物の姿は何もなかった。
 
 
勇者「何だったんだ?」
 
 
彼はただ呆然と目の前の景色を眺めていた。
 
 
??「まったく…ひどいじゃない、いきなりイオナズンだなんて」





38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 21:58:25.45 ID:Ro9jEm2bO
突然背後から聞こえた声に、彼は驚き振り返った。
 
 
??「まぁ、こんだけの威力ならイオナズンというより、イオラって叫んだほうが妥当じゃないかしら?」
 
 
そう言いながら、少女は服についた砂ぼこりを手で数回払っていた。
 
 
その光景を見て唖然としていた彼だが、徐々に怒りが押し寄せはじめていた。
 
 
見知らぬ少女に自分の放ったイオナズンが避けられ、更にはイオラ程度の威力だと馬鹿にされた。
 
 
何とも屈辱的だった。
 
 



42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:08:12.03 ID:Ro9jEm2bO
埃を払い終えた彼女は、ただ彼を見据えた。
 
 
彼女の蒼い瞳は色白な肌にとても似合っている。
 
 
彼は彼女に見つめられ一瞬、ドキッとはしたが怒りが消えた訳でない。
 
 
勇者「お前、いきなり何だよ!!人の後ろに立つなんてどういうつもりだ!!」
 
 
彼は頭に浮かんだ言葉を何とか口に出すので精一杯だった。
 
 
勿論、彼自身なにを喋っているか分からなかった。
 
 




43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:13:03.88 ID:Ro9jEm2bO
彼の言葉に彼女は眉をひそめた。
 
 
??「はぁ?いきなりはそっちでしょう!?私だから避けられたものの…一般人なら焼け死んでるわ」
 
 
彼は言葉に詰まった。
 
 
彼女の言った事に間違いはないからだ。
 
 
彼は拳を握りしめ黙ってしまった。
 



45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:29:47.70 ID:Ro9jEm2bO
彼の様子を見て、彼女は勝ち誇った顔をした。
 
 
??「大体、ここら辺にもう魔物なんていないんだから、身構える必要なんてないのに」
 
 
彼女の言葉は、彼を、彼が今まで勇者になるために歩んできた人生を否定するようなものだった。
 
 
??「分かったんならもう村に帰ったほうがいいんじゃない?じゃあね」
 
 
彼は途方に暮れた。
 
 
大口叩いて村を飛び出し、危うく人を殺めてしまうところだった。
 
 
俺は、何のために…。
 
 
彼の目の前は徐々に暗くなり、地面に倒れた衝撃の中で意識は薄れていった。


46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:37:35.40 ID:Ro9jEm2bO
次に目を覚ました時、彼は見知らぬ部屋に寝かされていた。
 
勇者「ここは…──つっ!?

 
彼の体に電気のような痛みが走った。
 
勇者「なんで…こんな所に…」
 
彼は部屋を見渡した。
 
小さな宿屋の一室、といった所だろう。
 
ベッド以外には何もない質素な部屋だ。
 
壁にところどころ入っている亀裂が古さを物語っている。
 
しばらくすると部屋にあの少女が入ってきた。
 



48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:43:43.06 ID:Ro9jEm2bO
??「あら、目が覚めたのね」
 
彼は彼女の姿を見て体を起こそうとしたが、
そのまま寝てなさい
という彼女の言葉に甘えさせてもらった。
 
寝たままのほうが楽だったからだ。
 
勇者「お前が…俺をここまで…?」
 
??「あら、私にはアリアっていう立派な名前があるわ。お前なんて呼ばないで」
 
窓際に置かれている花瓶に花を差しながら彼女──アリアは言った。
 
 



49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:48:54.71 ID:Ro9jEm2bO
勇者「──アリア」
 
アリア「そう。可愛い名前でしょ?私にピッタリな」
 
アリアは花瓶を窓際に置くと彼の方へ向き直った。
 
アリア「本当にびっくりしたのよ。いきなり倒れちゃうんだもの」
 
小さなため息をつき、アリアは腰に手をあてる。
 
アリアの金色の髪は沈みはじめた太陽の光をうけ、より一層輝きを増していた。
 
 



50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:54:34.84 ID:Ro9jEm2bO
勇者「…この傷も倒れた時に?」
 
彼は腹部に巻かれた包帯を指差し聞いた。
 
アリアは少し苦笑いをしながら
それはね…
と話し始めた。
 
アリア「倒れたあんたをこの宿屋に運ぼうとしてる途中で盗賊にあっちゃって。その時にグランドクロスを使ったんだけどあんたも巻き込んじゃったの」
 
ごめんなさい、とアリアは顔の前で両手を合わし、少し舌を出した。
 
 



51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:58:49.39 ID:e5t/UMXHO
盗賊相手にグランドクロスとか容赦ねえ


52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 22:59:57.64 ID:Ro9jEm2bO
彼は、そんなアリアの行動が腹立たしく、そしてひかれてもいた。
 
そして彼の心の中にある思いが浮かんでしまった。
 
 
勇者「…という事は、お前の不注意でこんな怪我しちまったのか…」
 
先ほどと少し違う彼の様子にアリアは少し困惑した。
 
アリア「だ、だから謝ったじゃない…」
 
そんなアリアに、彼は不敵な笑みを浮かべる。
 



54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 23:05:53.00 ID:Ro9jEm2bO
彼はゆっくりと上半身を起こした。
 
その際、身体中に痛みが走ったが今の彼にはそんなことはどうでもよかった。
 
アリア「な、なによ…」
 
不穏な空気に、アリアは彼から少し距離を取った。
 
勇者「へぇ〜、最初に俺に説教しやがった人がねぇ。怪我さしちまったもんなぁ」
 
彼はゆっくりと立ち上がり、アリアへと近づいていった。
 
 



56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2008/12/02(火) 23:10:37.57 ID:Ro9jEm2bO
後退るアリアに、迫る彼。
 
アリアは恐怖から声が出なかった。
 
アリア「っ!?」
 
とうとうアリアは壁際まで追い詰められてしまった。
 
勇者「くっくっくっ、もう逃げらんねーぜ?アリアさんよぉ」
 
そういって彼はアリアの手首を掴んだ。
 
 



58 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:13:47.04 ID:Ro9jEm2bO
勇者「俺の仲間になってくれ!!」
 
一瞬の沈黙。
 
アリア「は?」
 
勇者「俺、今仲間いないんだ!!だからアリア!!お願いだ!!仲間になってくれ」
 
そう言って彼は片膝をつき、アリアの手の甲にキスをした。
 



59 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:17:49.69 ID:Ro9jEm2bO
アリア「あ、え、はい。まぁ…別に…」
 
アリアのその答えに彼はとても目を輝かせた。
 
勇者「いいのか!?いいのか!?やったー!!本当にありがとう!!」
 
彼は部屋の中を踊りまわった。
 
アリア「……」
 
そんな彼に、アリアは少しずつ惹かれはじめていた。
 
 



62 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:22:43.04 ID:Ro9jEm2bO
勇者「懐かしいな」
 
アリア「ふふ、そうね」
 
 
 
 
 
あれから数年。
 
二人は初めて出会った場所を訪れていた。
 
彼はあれからアリアと共に旅をした。
 
アリアにグランドクロスを教えてもらい、めきめき力を付けた。
 
誕生日にはアリアからこん棒を買ってもらった。
 



64 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:28:30.11 ID:Ro9jEm2bO
しかし、未だに彼は魔王の城へ攻めこんではいなかった。
 
イオナズンにも自信はあった。
 
グランドクロスも身に付け、ステテコパンツも似合ってますよと店員さんに言ってもらえた。
 
だけど攻めこめなかった。
 
それはアリアを危険にさらしたくなかったから…
 
いや、それは言い訳だ。
 
今、俺にはアリアを護れる力がない。
 
それを、アリアを危険にさらしたくなかったからと正当化しているだけだ。
 
彼は小さくため息をついた。
 
──俺は、強くなったんだろうか…?
 
 



68 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:34:52.89 ID:Ro9jEm2bO
彼は、星空を眺めていた。
 
暗い下地にキラキラと広げられた星の宝石は、いつしか見た村の空と同じだった。
 
アリア「何見てるの?」
 
外にいた彼を心配して、アリアがテントから出てきた。
 
焚き火の光が彼女の顔をてらしだし、幻想的に見せる。
 
勇者?「いや、星を見てたんだ」
 
彼の隣に腰かけたアリアは空を見上げた。
 
 



69 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 sage 2008/12/02(火) 23:37:55.55 ID:UxZn6hJH0
勇者かどうか怪しくなってきたわけか


70 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:41:06.05 ID:Ro9jEm2bO
アリア「本当…綺麗ね…」
 
アリアは星空を見上げながら、目に涙を溜めていた。
 
きっと昔の事を思いだしたなだろう。
 
彼はあえて何も聞かず、空を見ていた。
 
こんな些細な幸せを壊してまで、魔王のもとへ行くべきだろうか。
 
彼がゆっくり目を閉じた時、
 
 
『役立たず』
 
 
誰かの声が頭の中で響いた。
 
 



71 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:47:10.58 ID:Ro9jEm2bO
彼は急いで周りを見渡した。
 
アリア「どうしたの?」
 
勇者?「いや…何でも…ない」
 
そうだ、何故忘れていたんだ…
 
彼は忘れかけていた憎しみを、使命を、思い出してしまった。
 
魔王を倒す為に、幼い頃から修行に励み、
村を飛び出し、
アリアにグランドクロスを教えてもらったんじゃないか。
 
彼はゆっくりと立ち上がった。
 
 



73 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/02(火) 23:53:32.68 ID:Ro9jEm2bO
アリア「?」
 
勇者「アリア、俺、魔王を倒しに行く」
 
彼の言葉にアリアは一瞬顔色をかえた。
 
だがすぐにいつものような笑顔に戻った。
 
アリア「ねぇ、もう魔王はいいんじゃない…?私たち、こんなにも幸せなのよ?」
 
アリアの言葉に、彼は首を横にふった。
 
勇者!「父の、祖父の、そして世界中の勇者の仇をとらなければいけないんだ!!」
 
彼はそう言って、拳を空へと突き上げた。
 
アリアは、ただ笑顔のままで、彼を見つめている。
 
 



75 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/03(水) 00:00:10.31 ID:GsxgGRFyO
彼はアリアに手を差しのべ、彼女を立たせた。
 
勇者!「君には、いろいろと危険な目に合わせるかもしれない…。でも何とか俺が守るから!だから付いてきてくれるか?」
 
そう言って彼はアリアを優しく抱き締めた。
 
アリア「危険な目?」
 
彼の耳元で、アリアは優しく囁く。
 
アリア「それって、例えばこんな事?」
 
アリアがそう言い終わる前に、彼の腹部に鈍い痛みが走った。
 
勇者!「──え?」
 



78 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/03(水) 00:05:55.66 ID:GsxgGRFyO
アリアはゆっくりと彼から体を離した。
 
彼の腹部からは紅い液体が流れだし、ステテコパンツを紅く染めている。
 
勇者!「っ!?な、んで!?」
 
彼は地面へ座りこんだ。
 
肩で息するたびに腹部からとめどなく鮮血が流れ出す。
 
アリアはそんな彼を笑顔で見つめている。
 
勇者!「あ、りあ…」
 
アリア「魔王様はね、私が殺したの」
 



80 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/03(水) 00:13:11.40 ID:GsxgGRFyO
アリアの言葉を、彼は信じられなかった。
 
この数年間。
 
ずっと一緒にいてくれたアリアが、そんな事をするなんて信じられなかった。
 
アリア「私は魔王様を愛していたわ。でもね、彼は日に日に弱っていってたの。そんな彼を見ていられなかったわ。だから…殺した」
 
アリアは何処か寂しげな表情で空を見上げた。
 
アリア「魔王様はもういない。けど…」
 
アリアは蒼い瞳で彼を見つめた。
 
アリア「今はあなたがいるから」
 
彼はその言葉を聞きながら、意識を失った。
 
 
 
 
アリア「ずっと一緒よ」
 
 



81 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/03(水) 00:18:05.74 ID:GsxgGRFyO
目を覚ました時、彼は見知らぬ部屋にいた。
 
勇者「どこだ、ここ──っ!」
 
電気が走るような痛みが彼を襲う。
 
彼の腹部には乱雑に包帯がまかれていた。
 
彼は呼吸を整えながら部屋を見渡す。
 
ベッド以外には何もない質素な部屋、壁には無数の亀裂が走っている。
 
 



84 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/03(水) 00:23:52.25 ID:GsxgGRFyO
??「あら、目が覚めたのね」
 
部屋に見知らぬ少女が入ってきた。
 
色白な肌に蒼い瞳、金色の髪がとても綺麗な少女だった。
 
勇者「お前が…俺を…?」
 
彼女はにこりと笑い
 
??「私にはアリアっていう立派な名前があるのよ」
 
と言いながら窓際にあった花瓶に花をさしている。
 
 



86 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/03(水) 00:27:50.96 ID:GsxgGRFyO
勇者「──アリア」
 
アリア「そう」
 
窓際に花瓶を置くと、アリアは彼の横へと座った。
 
勇者「…ありがとう。あ、俺の名前は──」
 
その時、アリアは彼の唇に指を当て彼を止めた。
 
そして突然の事に困惑している彼をそっと抱き締めた。
 
 



87 愛のVIP戦士@ローカルルール議論中 2008/12/03(水) 00:35:11.09 ID:GsxgGRFyO
勇者「なっ!?」
 
突然の抱擁に彼は固まってしまった。
 
そんな彼から離れ、アリアは笑顔で彼を見つめる。
 
彼は心臓がドキッとなり、鼓動が早まっていくのを感じた。
 
アリア「あなたのことはなんでも分かるわ。だって私の運命の人だもの」
 
勇者「…運命?」
 
アリア「そう。だから──」

アリアは彼を再び抱き締め、耳元で囁いた。
 
 
 
 
 
アリア「ずっと一緒にいましょうね」
 
 
 




コメント

    1get?

    あんまりおもしろくなかったような。

    なんだこの読み終わった後の胸のモヤモヤは

    ひぃ

    なんか怖いな

    無条件室伏にみえた

    この話は米5が全て持っていったな

    この話より*5のほうが面白かったなんて・・・っくやしい・・・っ

    米2
    伏線全く回収せずに全部放り投げて終わったからな。そりゃもやもやする。

    つまんね

    きらいじゃない

    腹に攻撃を食らうと記憶が飛ぶって考えれば
    なんとなくわからなくはないな

    こいつわぁ…
    相当難解だぜぇ…

    面白かったよ

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